恋セヨ乙女
『あ、あの!莉乃先輩』
急に振り向く隼汰くん。
「っ…!」
顔が…近い。
たぶん、私は顔が真っ赤だ。
『か、彼氏さんとかいるんですか…!?』
「い、いないよ…」
『勿体無い…』
え?
『莉乃先輩、せっかく可愛いのに…』
「縁がないだけだよ~」
私は笑って誤魔化す。
『なら…俺、狙っちゃおうかな…莉乃先輩のこと』
「え!?」
『なーんて、冗談です…』
焦った…本当だったら…。
「だ、だよね、隼汰くんカッコいいから私にはそれこそ勿体無いよ」
『り…』
「私、水城先生に確認取ってくるね…!」
私は慌てて生徒会室を出た。
何あれ…イケメンしか言えない台詞…
免疫のない私には大ダメージだよ…。
鳴りやまない心臓をそっと押さえた。