恋セヨ乙女
こんなにイケメン揃いの生徒会は
おそらく例年にないだろう。
『じゃあ、今日はもういいぞ!』
水城先生に言われ、皆が立ち上がった。
「えれな、夏奈子、帰ろ!」
『ごめん、今日は約束あるから…』
「え、えれな…彼氏さんか…」
『そういうこと。ごめんね、また』
えれなはすぐに出て行ってしまった。
『莉乃、私も用事あってすぐ帰れないの、ごめんね』
「えー、夏奈子もかあ…」
私はひとりで帰ることになってしまった。
『あの、』
ひとり取り残されてた私に
近藤くんが声をかけてきた。
『莉乃先輩、家どこですか?』
「え?」
『だから、家…どこなんですか?』
私が戸惑う間に2回目の質問がきた。
「あ、○○町の方だよ」
『なら通り道なんで一緒に帰りましょう』
え?
今、何と言いましたか、近藤くん?
『莉乃先輩、行きますよ』
私がボーッとしてるうちに
近藤くんは私の鞄を奪った。