恋セヨ乙女
Ⅱ 突然訪れる
なぜ、この状況になったのか。
冷静に考えてもわからない。
『莉乃先輩?』
えっと、さっき出会って、
自己紹介して、よろしくってなって、
えれなと夏奈子と一緒に
帰れないよーってなって…
『莉乃先輩、聞いてますか?』
「ふぇ…っ!?」
やばい、間抜けな声出ちゃった…!
『莉乃先輩、ボーッとしすぎですよ』
「ごめんね、人見知りなもので…」
『やだなあ、俺なんかに人見知りしなくていいですから!これから同じ生徒会だし、後輩なんですから…!』
その通りだ。
近藤くんは後輩なんだから。
『莉乃先輩、急に声かけちゃってすみません、でも俺、話してみたかったんですよ!』
「わ、私なんかそんな滅相もない!」
テンパりすぎて何も言えない。
『莉乃先輩、焦りすぎです』
くすくすと笑う近藤くん。
そんな姿まで様になっていた。