ずっと前から好きだった。
崇彦は家の近くの公園にいた。
ケータイの電源も切った。
『お前、だれに許可取って美琴に電話してんの?』
ケータイから聞こえた最後の声は、美琴の声とはかけ離れていた。
-----その声の持ち主が美琴の双子の兄だったらいいのに。
崇彦はそんな自分に都合のいいような結果を求める自分に落胆した。
-----あれは浮気相手か........
それとも....俺との方が浮気か?
崇彦はだんだん怒りが湧いてきた。
-----美琴は俺が好きなんじゃなかったの?
俺は美琴のこと、大好きだし愛してるのに?
悔しかった崇彦は、ケータイの電源をつけると美琴へ電話をかけた。