ずっと前から好きだった。
後悔
-----嫌な胸騒ぎがする。
崇彦は朝からむしゃくしゃしていた。
1学期が終わってからというもの、美琴からはなにも音沙汰がない。
1学期が終わる少し前に美琴に突然別れを告げられた。
そのことを知った女子たちは、崇彦に我先にと告白してきた。
-----人の気持ちも知らねぇでよく言うな
そう思っていた。
崇彦は女子たちがウザいから、という理由で、従兄妹で同学年の樋口 沙南に付き合っているフリをしてもらうことにした。
沙南も男からの告白がウザいから、という理由で簡単に了承してくれた。
「ねえ、崇彦ってさ」
「ん?」
「美琴ちゃんにフラれたんだ?」
沙南は俺が気にしていることばかり突っ込んでくる。
「なんで別れたのー?」
「それが............」
「それが?」
「わかんねぇんだよ。
俺に至らないところがあるのは承知だ。思い当たる節がない、とは言わないが........」
「その思い当たる節ってのは?」
「まあ、そのことは許してくれてたはずなんだ。その後だって普通だったし。」
「へえ。じゃあ........なんなんだろうね。」
「知ってたら苦労しねぇよ!!」
「うーん........1年に探り入れてみようか?」
「............頼む。」
「了解っ、任しとけ!!」