ずっと前から好きだった。
-----俺の胸騒ぎの原因はそれだったのか。
崇彦は美琴にもう一度会いたいと思った。
もちろん、それが今叶うことはなかったが。
「崇彦、美琴ちゃんが帰ってくるまでの辛抱だよ。ね?」
沙南がそう明るく言った。
「美琴は本当に帰ってくるのか........」
崇彦は不安を口にした。
「ほら、しっかりしなよ。
そんなんじゃ、崇彦のルックスが台無し。」
沙南は軽口のつもりで言ったらしいが、崇彦はその言葉にカッとなり、うっせえよ、と言い返した。
「........美琴...............」
「もう、どんだけ美琴ちゃんにぞっこんだったんだかねー.....崇彦、今のあんたを美琴ちゃんが見たらもう一度フられるよ。」
沙南はやれやれ、という様子で崇彦を見ていた。