ずっと前から好きだった。
秋になった。
崇彦は、勉強にも部活にも身が入らなくなってきた。
ただ淡々と毎日を過ごして........終わって........
-----美琴は元気だろうか。
崇彦はそんなことしか考えられなかった。
冬になった。
寒くて身体がかじかむ。
-----美琴がいない毎日なんて楽しくない。
「あんたつくづく重い男だね。」
崇彦に沙南が声をかける。
「重い.............確かにそうか。」
「なんか言い返すとかないの?
なに納得しちゃってんのー」
「重い男だと思うよ........本当に。」
「そんなに美琴ちゃんのこと後悔してるの?」
崇彦のなかにずっとモヤモヤと渦巻く気持ち。
それは、後悔だった。
-----かっこ悪くても、別れたくないと美琴に縋ればよかった。
そうしたらこんなに後悔することはなかっただろう。
「大丈夫だって。
きっと美琴ちゃんは戻ってくる。また会えるからさ。」
「.........なんで沙南がそんなことを言い切れるんだ。
美琴が絶対に帰ってくるのなんて言い切れないじゃないか!!」
崇彦は沙南にそう言い返した。
「そうそう、崇彦はそんなふうに私に言い返してこないと、崇彦じゃないよ。」
沙南はニッコリ笑った。