ずっと前から好きだった。
「"ええ........指輪のサイズはこれでいいですね。デザインはどんなようなのにいたしましょう?"」
店員さんで、長年アクセサリーや宝石を販売しているという初老の男性にそう問いかけられる。
「"美琴、デザインはどれがいい?
好きなの、選んで。"」
エドワードは、美琴にそう優しく言った。
「"デザインが好きなのは........"」
美琴はそのデザインの指輪の値札を見て驚いた。
「"それがいいの?
すみません、このデザインで。"」
エドワードは、美琴が見つめていたのを注文してしまう。
「"ちょっと待って............これすっごく高いわ。
いくらエドワードでも......"」
「"いいんだよ。"」
エドワードはそう言ってのけた。
美琴が選んだデザインは、真ん中に一際目立つダイヤモンドが埋め込まれており、その周り全体を小さなダイヤモンドで囲んでいるデザインだった。
その対の男性用の指輪は小さなダイヤモンドで指輪全体が囲まれているデザインだった。
それからしばらく経って指輪が完成したと、エドワードに聞いた。
エドワードと美琴が一緒に宝石店に行くと、2人の目の前に指輪が置かれた。
「"わあ........素敵だわ............"」
美琴が声をあげると、エドワードは嬉しそうにニッコリ微笑んだ。
そして、エドワードは女性用の指輪を掴み、美琴の右手の中指につけた。
「"少し早いけど、誕生日おめでとう。"」
美琴は男性用の指輪を掴んで、エドワードの右手の中指につける。
「"こんな高額なものをもらってしまって、本当に申し訳ないわ。
今まで、私に優しくしてくれて本当にありがとう。"」
2人は手をつないで、宝石店から出た。