ずっと前から好きだった。
美琴は、一馬を抱っこして飛行機に乗り込んだ。
もちろん、右手の中指にはダイアモンドの指輪がはまっていた。
来たときはビジネスクラスだったが、美琴は、ファーストクラスに乗り込む父親に驚いた。
「お父さんっ!?ファーストクラスってどういうこと?」
「実は、父さんの会社の人で、ポール・ニコラスというアメリカ本社の社長さんがファーストクラスの日本行きの航空券をくれたんだ。
どうしてももらえないと断ったんだが、もらってくれと言われてしまって........大変申し訳ないが、頂戴してきたんだ。」
「ポール・ニコラス........」
美琴のなかで何かが引っかかった。
「その社長さんって息子さんいる?」
「いるよ、今美琴と同じ歳だそうだ。」
「名前は?」
「なんだったかな........エド....エドー.............なんだったかな.....」
「それってもしかして、エドワード?」
「そうだそうだ、エドワードくんだった。」
美琴は驚いた。
エドワードのお父さんと、美琴のお父さんが知り合いであり、ファーストクラスの航空券までくれる仲だったとは........。
「エドワードの父親、父さんの知り合いだったのかよー」
宙人が言った。
「エドワードくんを知ってるのか。」
父親が尋ねる。
「ハイスクール一緒でね、私と宙人と仲良くしてくれてたの。」
美琴は答えた。