ずっと前から好きだった。
「偶然だなあ」
健介はそう言って笑った。
飛行機に乗って日本に向かう。
長時間のフライトだったが、ファーストクラスだということもあって、あまり疲れることなく、一馬が激しく泣きわめくこともなく、日本に到着することができた。
日本の空港に着くと醤油の匂いがする、という話だったが、美琴たちは実際にそれを体感した。
電車を乗り継いで、もともと住んでいた家に向かう。
家につくと、テレビやら棚やらが埃をかぶっていて、とてもきれいとは言えなかった。
「きたねぇっ」
宙人が声をあげている。
「今日はみんなで大掃除ね。」
涼子がそう言った。