ずっと前から好きだった。
一馬は戸籍上は美琴の父親と母親の子供にするということで、小阪家で話が進んでいたから、という理由もある。
つまり、戸籍上は一馬は美琴の弟なのだ。
「弟........なんだ。可愛いな。
なんていう名前?」
崇彦はそう言ってニッコリ笑った。
「一に馬って書いて、かずまっていうの。」
「かっこいい名前をつけてもらったんだな。」
「かっこいいでしょう?私が考えたの。」
「そうか........」
「じゃあ、私はこれで。
また........」
美琴がその場を去ろうとすると、美琴の肩が掴まれた。
「........っ、何?」
美琴が振り返ると、そこには切なげな表情をした崇彦がいた。
「............俺ともう一度付き合って欲しい。」