ずっと前から好きだった。
そのとき、一馬が思いっきり泣き出した。
美琴は正気に戻って、一馬をあやした。
そして、手の甲で涙を拭いた。
「一馬〜ごめんごめん......」
美琴が一馬の背中をとんとんしていると次第に泣きやんできた。
「じゃあ、この話の続きはまた日を改めてってことで。じゃあな。」
崇彦は、その場から去って行った。
一馬を抱っこしている美琴は、ぽつんと残されてしまった。
そこで、散歩を終わりにして帰ることにした。
家に戻ると涼子が、一馬のお世話を一通りやってくれて、美琴はやることがないので自分の部屋に入った。
ふと右手の中指に美琴の目がいく。
「............エドワードがくれた指輪....」
美琴はおもむろに指輪を指から外してみる。
そこで初めて、指輪の内側に文字が刻まれていることを知った。
そこには、【E to M】と書かれていた。
-----エドワードから美琴へ....ってことだよね。
まるで結婚指輪のような表記だった。
「............まあ、エドワードらしいかも」
美琴は、微笑みながらそう呟いた。