ずっと前から好きだった。
「美琴............」
崇彦が美琴の方に駆け寄ってくる。
崇彦が美琴の乱れた服を直してくれる。
「................なんで」
「え?」
「なんで崇彦が........ここに................」
美琴は安心して涙が出てきた。
「美琴が心配だったから。
もう大丈夫、だから泣きやめ。」
「なんで........なんで私なんかっ...........探してくれるの................」
「.............美琴が好きだからだよ。」
-----...........惚れる。惚れてしまう。
崇彦は美琴の身体を起こしてくれる。
そして、美琴は崇彦にきつく抱きしめられた。
「ちょっと、場所考えてよ〜2人共。
こいつらどうすんの?」
美琴と崇彦を現実に引き戻したのは、気絶して倒れた男たちを踏みつけている女の人だった。
「うっせえ、もう少しこうしていさせろよ。」
崇彦がイライラした声で言った。
美琴は、女の人と初対面のはずなのに、その女の人の声がなぜか聴き覚えがある気がして首を傾げた。
「あ、あのっ.....助けてくださってありがとうございましたっ」
動かせるようになってきた身体で、美琴は軽く会釈をした。