ずっと前から好きだった。
「あの、崇彦?」
「なに?」
「お、降ろしてくれて構わないんだけど........」
崇彦はずっと美琴をお姫様抱っこしたまま、歩いていた。
「降ろしたくない」
「え!?」
美琴は崇彦に即答されて言葉を失う。
「ラブラブで羨ましいわね、2人共。」
凛花が2人を見つめて言った。
「ラブラブ........なんて」
「美琴、姉貴にいちいち反応しなくていいよ。
姉貴、先帰っててくんない?
俺、美琴送ってから帰るから。」
「はいはい、お邪魔虫はさっさと退散しますよーだ。」
凛花は2人を追い越し、走って行ってしまった。
「崇彦、お姉さんにひどいよ!!
先帰っててくんない?、なんて」
「いいんだよ、俺は美琴と話したかったから。」
崇彦は近くにあった公園に入ると、公園のベンチに美琴を降ろす。