僕と少女と夏休み
『でも、僕はそういうタイプじゃないからさ』
『カンニングした理由は?なんで頭いい村田君がカンニングなんてするの?』
『……。』
『分かったぁー。本当はバカだったんでしょ?もしかして今までずーとカンニングで頭いいフリしてたわけ?じゃぁ君は仮面をかぶったバカな人間なんだぁー』
『だまれ!!!!俺はそんな人間じゃない!そこらのバカとクズと一緒にするな!』
一瞬何を言ったのか自分でもよく分から
なかった。自然と自分の口から滝の水が
流れるようにでたんだ。
『ほら。仮面かぶり男。これが正体か。いいねそういうの好きだよ』
僕は心に隠していたもう一人の自分が今
日産まれて初めて出た気がした。
『それがあなたの正体ね』
『この世の中は腐ってるとは思わないか?一人じゃ何も出来ない奴らがあーだこーだ言いやがって。僕といっしょなら、いじめられないとか、友達が離れていかないとかみんな僕を利用してんだ。』
『ようするにストレス解消でカンニングしたってこと?』
『……。ちがう』
『じゃぁ…』