僕と少女と夏休み



『でも、僕はそういうタイプじゃないからさ』



『カンニングした理由は?なんで頭いい村田君がカンニングなんてするの?』



『……。』




『分かったぁー。本当はバカだったんでしょ?もしかして今までずーとカンニングで頭いいフリしてたわけ?じゃぁ君は仮面をかぶったバカな人間なんだぁー』




『だまれ!!!!俺はそんな人間じゃない!そこらのバカとクズと一緒にするな!』


一瞬何を言ったのか自分でもよく分から


なかった。自然と自分の口から滝の水が


流れるようにでたんだ。


『ほら。仮面かぶり男。これが正体か。いいねそういうの好きだよ』



僕は心に隠していたもう一人の自分が今


日産まれて初めて出た気がした。



『それがあなたの正体ね』



『この世の中は腐ってるとは思わないか?一人じゃ何も出来ない奴らがあーだこーだ言いやがって。僕といっしょなら、いじめられないとか、友達が離れていかないとかみんな僕を利用してんだ。』



『ようするにストレス解消でカンニングしたってこと?』



『……。ちがう』


『じゃぁ…』
< 7 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop