僕と少女と夏休み
『佐々木の言った通りだよ。』


『バカだったの?』


『そうだよ。僕はバカだ。クズだ。運動は出来るけど、バカなんだ。でもクラスの憧れの存在でいたかったんだよ』


『なにそれ?ばっかじゃない?』

佐々木は馬鹿にしたような声と手つきで言った。


『おい。お前今なんて…』


『ばっかじゃない?って言ったの。クラスの憧れの存在でいたい?そんな漫画みたいな事思ってたの?ガッカリだわ。もっとクラスメイトよりましな奴だと思ったのに。』


『は?』


『もっと私を楽しませてよ。憧れでいたい?違うでしょ?単なる暇つぶしじゃないの!?そんなまともな答え聞いてない。もっともっと腹黒さをみせてよ!』


なんだこいつ…。きもちわりー。腹黒さって…狂ってる…。ってカンニングしてた俺が言うことじゃないか。


『村田君ならこの私と共感してくれると思ったのに。』


『共感って…。』


『まぁいいよ。とりあえずちょっと付き合ってくんない?』


『何処にいくの?』


『いいから!』

佐々木は僕の手を強くひっぱった
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