オレ様探偵とキケンな調査
「どうして!?ねぇ、どうして!?離婚も言い出さずあたしを飼い殺しにして、どうしてあの女には何もかも与えるのっ!?待つことしかできない女、って、あたしを小馬鹿にして、どんな気持ちで毎晩あの女を抱いてたのっ!?子供さえできれば、おとなしく籍を抜くと思った!?

あたしは許さない。あなたも、あの女も。絶対に許さないからッ!!」


「頼むっ!」


「…出てって。出てってよッ!!」


「椿…!」


───バタンッ!!


派手な音を立ててドアを閉め、あたしは寝室に閉じこもった。


悔しくて悔しくて、涙が止まらない。


あたしを散々苦しませておいて、挙げ句の果てに赤ちゃんまで…!


───殺シタイ


今まで押し潰してきた感情が、殺意となってあたしを支配する。


ううん。


ただ殺すだけじゃ、あたしの失った時間は取り戻せやしない。


もっと苦しめたい。


あたしが手にすることのなかった幸せの分、それ以上。


償わせてやるんだから…っ!
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