オレ様探偵とキケンな調査
あたしは愛の残骸だらけの家を静かに出た。
どこへ行くというあてもない。
ただ人混みにもまれていたかった。
この世に自分が1人じゃないこと、あたしよりも不幸を背負ってしまった由香さんの顔を忘れたくて。
だからあたしでもなく、由香さんでもない顔を見つけて歩きたかった。
電車に揺られて、足は自然と上野公園へ向かっていた。
園内は平日だというのに人が多い。
「あ…」
そう、か…。
桜のせい。
見頃を迎えた桜を愛でる人達。
それで人が多かったんだ。
あたしは上を見上げては楽しそうにおしゃべりをする人達の中に紛れた。
“この花びらがあたしを浄化してくれたら”そう思いながら。
どこへ行くというあてもない。
ただ人混みにもまれていたかった。
この世に自分が1人じゃないこと、あたしよりも不幸を背負ってしまった由香さんの顔を忘れたくて。
だからあたしでもなく、由香さんでもない顔を見つけて歩きたかった。
電車に揺られて、足は自然と上野公園へ向かっていた。
園内は平日だというのに人が多い。
「あ…」
そう、か…。
桜のせい。
見頃を迎えた桜を愛でる人達。
それで人が多かったんだ。
あたしは上を見上げては楽しそうにおしゃべりをする人達の中に紛れた。
“この花びらがあたしを浄化してくれたら”そう思いながら。