オレ様探偵とキケンな調査
「鳴海さん、座りましょうか?」


小松さんは咲いている桜とは少し離れたベンチへ座るよう、あたしを誘ってくれた。


「離婚、成立されましたか?」


「ハイ…おかげさまで。でも…」


「でも?」


「あたし、奪ってしまったんです」


「何を、ですか?」


「信吾さんと相手の方の女性の子供…妊娠してて…。流産させてしまいました」


「それは必然という偶然でしょう。鳴海さんのせいではないと思いますよ」


「ありがとうございます。でも、結果としてはやっぱりあたしがその命を奪ってしまったんです。復讐したかった、あたし以上の悲しみを負わせてやりたかった。そんな気持ちが赤ちゃんの命を…っ…っ…!」


「スッキリしましたか?」


「…いいえ。こんな不幸を突きつけてしまったことに…後悔しかありません…」
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