オレ様探偵とキケンな調査
「何か用か?」


「社長~!素直じゃねぇのー。どこの誰だっけ?“掃除婦がいねぇとひでーモンだな”なんてボヤいてたの」


「明美、うるせぇ」


そう言いながら帯金さんは鳥の巣頭をポリッと掻いた。


「ウチが片付けようとしたらさ、“明美の仕事じゃねぇ”だって。じゃあ誰の仕事なんだよ、って話。マジ、ウケるぅー」


「だからうるせぇよッ。で?何なんだよ、今更ノコノコと」


「離婚と和解の報告、小松さんにお礼のお弁当を」


「私に…?」


「ハイ。昨日、小松さんにいただいた話で、あたし、素直になれたんです。由香さんとも和解できて、慰謝料の請求を取り消しました」


「バカな女。金なんてもらっといても腐らんぞ」


「ううん。違うんです。あたしと由香さん、同じだったから」


「つくづくバカだ。椿の悪いトコは何でも首突っ込んどいて勝手に同情するクセだな」


「バカで結構でーすっ。帯金さんは1人でコンビニ弁当どうぞ。小松さん、明美さん、食べましょ!」


「ウチの分も?」


「もちろん♪」


応接セットのテーブルに3人分のお弁当を並べると、小松さんがお茶を淹れてくれた。
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