オレ様探偵とキケンな調査
わかってた。


くだらない自分勝手なわがままで身体ごと椿を傷つけている。


でも、どうしようもなくオレは椿にもたれかかりたかったんだ。


突き放したくせに、助けを求めたかった。


心の叫びを悟ってほしかった。


椿なら受け入れ、そして責めないことを承知の上で。


オレのズルさ、卑劣な歪んだ想い。


誰より自分自身で理解してるがゆえに、苦しい。


だけど止められねぇんだよ。


玲奈は。


亨は。


もう、オレの家族ではない。


そんなの離婚届を出した段階でわかっていたつもりだったが、月に一度、ぎこちなくても笑ってくれる2人を見て、いつでも手を伸ばせばまた手に入れられるような錯覚をしていた。


もう一度、やり直せるかもしれない。


“パパだよ”そう言ってやれる日が来るかもしれない。


でも、それも今となってはただの幻。
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