オレ様探偵とキケンな調査
オレはいつになったら“一人”を噛み締められるようになるのだろう。


いつになったら“支えられる男”になるのだろう。


やっぱりオレは。


椿みたいな輝く宝石には手が届かない。


だからオレは再び目を反らす。


キラキラ白すぎる椿から。


「明日、報告書取りに来い」


「…わかりました」


その翌日、椿は別れを告げに来た。


「色々とありがとうございました」


もう会うこともない。


会ってはいけない。


なのにオレは一度知ってしまった椿のオレの名を呼ぶ声を忘れられずに。


とめどなく椿を求めるこの心に。


どうしても逆らえず、仕事の合間をぬっては椿を追い続けた。
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