オレ様探偵とキケンな調査
「社長がいるのを、ここから見てました」


「さすが、オッサン」


「鳴海さん、離婚されたそうです」


「なのに…」


「どうして泣いてらしたのか、ですね?」


「かなわないな、オッサンには」


「社長の右腕として事務所に置いてもらうようになってから、3年ですから」


「で?」


「鳴海さんの元ご主人の不倫相手が妊娠されていたとのことでした」


「…子供?」


「でも、自分が与えたストレスのために流産させてしまったと、悔やんでましたな」


女が妊娠…?流産…?


「もちろん、鳴海さんのせいではないでしょう。でも、自分を責めておられる。きっと彼女は前を向いて歩くために、一歩踏み出すでしょう。相手の女性に会いに行くと思います。行って心の精算をすると思います。

社長も、もういいでしょう。過去を振り返らず、正直な気持ちに心を傾けてみてはいかがですか?」
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