オレ様探偵とキケンな調査
翌日。


期待通り椿は事務所を訪ねてきた。


「おじゃましまぁす」


「で?何なんだよ、今さらノコノコと」


今に始まったことじゃないが、素直になれず悪態ばかりで色気も素っ気もないオレ…バカだよな。


それでもそんなオレを見て笑う椿に、


「前の能面ヅラよりはマシになったな」


なんて、褒め言葉にもならない毒舌をつくのが精一杯で。


気を利かせて出て行ったオッサンと明美に心の中では感謝しつつも、そんなことされなくたってちゃんと椿と向き合えるさ、なんて、一人強がった。


2人きりになった事務所。


オレは甘い時間を今度こそ目の前にいる椿にだけ贈りたいと、鍵をかけた。


「椿」


その名を何度も呼ぶ。


優しく愛撫するたび、ピクンと跳ねる椿がこの上なく愛おしい。


今度こそ手放さない。


オレは椿を隣に置き続けよう。


そして。


いつか囁くよ。


その火照った耳たぶにキスしながら、極上のセリフを、さ。
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