オレ様探偵とキケンな調査
直球…というか、豪速球の颯太くんの言葉に、思わず頬が赤くなる。


あたしが帯金さんから欲しかった言葉。


それをサラリと言ってのけてしまえるのは、若さゆえの強味なのか、はたまたただの脳の錯覚なのか。


「ス、キ」


「あ、ありがとう…。でも、あたし…!」


「返事、欲しいわけじゃないから。今はボクの気持ち、ちゃんと知ってほしいだけ。それより、腕、どう?」


「あ…うん…。昨日よりは痛みも腫れも引いたみたい…」


「見せてくれる?」


あたしはまごまごしながらブラウスの袖をまくり上げようとはするものの、まだ腫れのひかない腕と包帯が邪魔で、なかなか袖が上がらない。


「ブラウス、脱いだら?」


「えっ!?」


「それじゃ傷口まで袖が上がらないでしょ?」


「そう…だけど…」


「治療中は椿さんが考えてるようなイヤラシイ事、しないよ?」


「か、考えてないもんっ」


「じゃ、脱いで」


「ハイ…」


戸惑いながらもボタンを1つずつはずし、きれいに腕は出たものの、体はブラ1枚。


颯太くんはそれを気にする素振りは見せず、器用に両腕の包帯をくるんでいく。
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