オレ様探偵とキケンな調査
「あたしを…どうする、の…?」


「どうしてほしい?ボクならその寂しい心、埋めてあげられるけど?」


「ヤ…だよ…」


「なぜ?寂しいんでしょ?」


「寂しくても哀しくても…それがあたしの“好き”だか…ら…」


あぁ…そうか…。


あたしも言ってなかったんだ。


帯金さんに“好き”って。


“愛してる”って。


どうしてもらうことばかり考えていたんだろう。


あたしがあげられればそれで良かったんだ。


もう。


遅い…かな…。


あんなつまらないケンカして事務所を出てきて、あたしは今、颯太くんのベッドの上。


戻りたい。


戻りたいよ…。


「アキラ…さ、ん…」


その名を最後に、あたしは薬の効力に逆らえず、固く瞼を閉じた───。
< 190 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop