オレ様探偵とキケンな調査
「ヤだよぅ…颯太くん、ヤ…」


「椿?オイ、椿ッ!」


「…?」


「目、覚めたか?」


「帯金さん…ここ…?」


「オレん家だ。ったく世話のやける女だよ、オマエは。あと10秒遅かったら、あの坊やにイかされてたぜ?」


そうだ…あたし…。


「颯太くん、は…?」


「ボコって立てなくしてやった」


あたしはベッドから起き上がろうとはするものの、体がだる重く、再び枕に頭をつけた。


「…ごめんなさい」


「事務所飛び出したっきり戻ってこねぇし。ケータイつながんねぇし。椿ってヘソ曲げるとヒデーな」


「どうしてあそこがわかったんですか?」


「コレ」


帯金さんがあたしに見せたのは、猫に噛まれた傷のための薬の袋。


“久保外科医院”の下には、住所と電話番号がプリントされていた。


「明美のデスクの引き出しに入れっぱだった」


そうだ。


普段、机のないあたしは出勤してこない明美さんのデスクを使わせてもらってて、昨日、事務所の引き出しに薬の袋を…。
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