オレ様探偵とキケンな調査
「で?何の用だよ?」


「アナタに用じゃないです。ボクは椿さんに用があって来たんです」


颯太くんは青白い痣のある右頬を手でさすりながら、あたしを見た。


「コレ、返しに来ました」


差し出された紙袋の中から、あたしは不用意にもソレを出してしまう。


真昼の事務所に見せたソレは───あたしのベージュのブラ。


「ほぅ。ずいぶん地味な趣味ですな」


「こ、小松さんっ!」


後ろには3人分のお茶をお盆に乗せた小松さんがいた。


「こ、これはっ!昨日、白いブラウスを着てたのでっ、透けないように…!」


「「プッ…」」


あたしの慌てた言い訳に吹き出す、帯金さんと颯太くん。


小松さんも声を上げて笑う始末だ。


「もうっ!みんなでっ。あたし、知らないっ」


ブラを紙袋に押し込め、お弁当の袋をテーブルの上にドンッと置いた。
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