オレ様探偵とキケンな調査
「もうっ。颯太くんのせいで、全然映画わかんなかったぁ」


「の、せいじゃないだろ?」


「うっ…」


「オッサンの事」


「………」


「今日1日忘れてくれる?チケットまで買ってデートに誘ったイタイケな少年の心を踏みにじらないでよ」


「…ゴメンナサイ」


「っつーことで。ちょっと早いけど、ホテル行く?」


「ホ、ホテル!?」


「ハハッ、ウ・ソ。ランチ、行こ」


10コも上のオバサンをからかう颯太くんの、どこがイタイケなのよっ!


プクッとふくれたら、颯太くんは、


「食べちゃうよ?」


なんて、あたしをからかう。


あたし…高校生相手に振り回されっぱなしじゃない…。


それもこれもデートを許可した帯金さんのせいなんだからっ。


半ばやけっぱちになりながら、あたしは颯太くんの手に右手を絡めた。
< 207 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop