オレ様探偵とキケンな調査
「ランチはカフェでパスタ。いい?」


「うん…」


颯太くんはただ重ねただけのあたしの手を恋人繋ぎに結び直して、眼鏡の奥でちょっと笑った。


カフェでゆっくりご飯しても。


視線をはぐらかしたプリクラを撮っても。


噴水の公園でコーラを半分コしても。


颯太くんは眼鏡の奥を優しくする。


あたしはその目につられないように気持ちのベクトルを変えるのに精一杯で。


靴のつま先ばかり見て歩いたり。


そっけない返事をしてみたり。


鞄の中のスマホを意識しては悲しくなった。
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