オレ様探偵とキケンな調査
⑪キケンな宅配
翌日、あたしはおそうめんとネギ、ミョウガ、シソの葉を持って探偵社に向かった。


クーラーが壊れたままの事務所、冷たいおそうめんをお腹いっぱい食べてくれれば2人とも少しは冷静になって話してくれるかな、なんて思いながら。


商店街を歩いていると、前に颯太くんの背中があった。


「颯太くん…!」


「あ、椿さん」


今日も重たそうな鞄を持った颯太くんと肩を並べる。


「昨日さ」


「ん?」


「昨日、ゴメンネ?」


「帯金さんのこと…?」


「じゃなくて。椿さんの気持ち、まるで見てなかったことへの反省の意」


「うん。颯太くんならわかってくれるような気がしてた」


「でも、オッサンとのバトルは今日も続くよ?」


「ダーメ。おそうめん食べて仲良くすることっ」


「ハハッ。そうめん、か。椿さん、考えたね?」


「わかる?」


「ボクなら、ね」


「そうなんだよねぇ…。多分、帯金さんには通じないんだよねぇー」


「あのオッサン、探偵のクセにそーゆートコロ鈍感だから」


「フフッ…」
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