オレ様探偵とキケンな調査
それからは早かった。


明美さんが家にある必要な物のメモを作り、あたし達は注意深く周囲を伺いながら商店街を出てタクシーをつかまえ、あたしのマンションへ。


ほどなくして帯金さんと小松さんも家へ来て荷物───主にヒデくんの衣類等の点検。


帯金さんが明美さんのアパートで捜索してきた元旦那さんの写真を全員で確認した。


「ヒデ、外で遊ばせてやりてぇけど、オレがヤツの行動パターンを監視し尽くすまでは、なるべく動くな。明美はもちろんだが、椿も必要最低限以外の外出は控えること。食料等の調達は、オレかオッサンのケータイ及びメールで連絡。わかったか?」


「うん…」


「ハイ、わかりました」


「ヒデ、想像以上に疲れてんだろ。明美、椿のベッド借りて寝かせてやれ」


「うん…わかった…」


明美さんの心労も相当なものらしく、帯金さんの言葉におとなしく従い、寝室に入って行った。


あたし達4人は夕焼けの射す部屋でお互い顔を見合わせ、誰ともなく溜め息を漏らした。
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