オレ様探偵とキケンな調査

「社長、ここで一つ挨拶を」


小松さんの言葉に晃さんは無造作にセットされた頭にクシャッと手をやると、湯呑みを片手にみんなの真ん中に立った。


「この度の事件解決、全員の協力があってこそだ。みんな、ありがとう。───で、それとともに、私事だが報告させてもらう。オレと椿は…」


「結婚するのはボクと、だよね?椿さん?」


「邪魔すんなっ、エロガキ!」


「ボク、離婚届持って待ってるからさ」


「あのさー、ヒデ、寿司待ってんだけど」


「みなさん、長くなりそうなので、いただきましょうか」


「「………」」


小松さんは呆然とするあたしと晃さんを気にする風もなく、お寿司のラップに手をかけた。


お刺身と酢飯の匂いに、あたしは急に吐き気を覚えてトイレに駆け込む。