オレ様探偵とキケンな調査
「粗茶ですが、どうぞ」


「あ、すいません」


小松のオッサンが淹れてくれたお茶は、昨日、あの派手な女性が淹れてくれたそれとは違い、きれいな山吹色のお茶だった。


すすってみると、高級茶にはほど遠い味だけど、ホッとする温度。


「おいしいです」


「ありがとうございます」


お盆を持ってデスクに戻った小松のオッサンと2人きり。


チクタクと安っぽい時計の音だけがここに生きているような気がした。
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