オレ様探偵とキケンな調査
「こっちも」


「右手はいらん。スマホ、操作できなくなるからな。アンタ、はめとけ」


「…ハイ」


何でもない、どこにでも売ってる淡いブルーの毛糸の手袋。


なのに、とびきり温かく感じてしまうのは。


それだけ北風が辛いからなのか、それとも半分コのせいなのか、あたしにはわからない。


でも、こんな会話でも一人きりの部屋で悶々と考えるより、ずっと心が軽い。


帯金さんのおかげ…だよ、ね。


「ケリをつけろ」


そう言って調査につくように言ってくれたのは、帯金さんなんだから。
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