オレ様探偵とキケンな調査
「オイ、来たぞ」


帯金さんの言葉に、思わずハッとする。


そうだ…今、あたし信吾さんの尾行中。


気を引き締めて、帯金さんの視線を追い、あたし達はつかず離れず歩き出す。


会社帰りの信吾さんは、今日も隣の由香さんの存在を隠そうともせず、堂々と2人肩を並べて楽しげに歩いている。


今日はどこに寄るんだろう。


遠くに見える信吾さんが大通りに向かって手を上げる。


すぐにウィンカーをあげて停車した車は、2人を乗せた。


「なんだよ、タクシーか。経費がかかるから乗りたくねぇのに」


ボヤきながらも帯金さんもタクシーをつかまえてあたしを乗せると、運転手に


「前の車、追ってくれ」


と、告げた。
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