オレ様探偵とキケンな調査
「あーぁ。イブだもんな。ホテル中、アンアンだぜ?」


「げ、下品な言い方やめてくださいっ」


「ヤってることに変わりゃしねぇだろ。椿の旦那もな」


「それは…!そうですけど…」


「聞きてぇか?」


「な、何を…です、か…?」


「旦那と愛人の会話」


そう言って帯金さんはコートのポケットから小指の先程の小さなチップ?のような物をチラつかせた。


「何ですか?ソレ」


「盗聴器」


「と、盗聴!?」


「聞きたきゃどうにかして仕込んできてやるが」


「い、今更…!聞きたくもないです…」


「だろうな。椿ならそう言うと思ってやめた」


どうせ信吾さんの口からはあたしへの後ろめたさなんてなくて。


妻の悪口、新しい女への愛の囁き、激しい情事の喘ぎ。


そんなの、もう…聞きたくない。
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