オレ様探偵とキケンな調査
「スゲー心臓激しくなってんだケド?」


「こ、こんなことされたらっ!誰だって…!」


「なぁ、キスなんて外国じゃ挨拶代わりだって知ってるか?」


「時と場所と感情によりますっ」


「うるせー口」


そう漏れた帯金さんの唇が1㎜づつ近づく。


タバコの残り香があたしを酔わせる。


一度知ってしまったその唇の味に。


あたしは大きく息を吸って、ぎゅっと目をつむった。


「───バーカ。ウ・ソ」


「───ッ!!」


目を開けると八重歯を見せて笑う帯金さんがいた。
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