オレ様探偵とキケンな調査
許されない想い side晃
そう。
あの忌まわしい事故から、4年が経とうとしている。
玲奈は1歳半の亨を連れ散歩中、居眠りの車に猛突進されての事故だった。
玲奈は大腿骨骨折の怪我。
亨は───事故当時意識レベル300、それから10ヶ月、小さな体に管をつけて何とか呼吸だけはしている日々。
「ねぇ、晃…」
「何だ?玲奈」
「あと3週間…」
「…うん」
「亨の2歳の誕生日が来ても目を覚ますことがなかったら…呼吸器を…」
「…そうだ、な…」
呼吸器をはずす。
つまりそれは亨の“死”を意味する。
誕生日が命日になってしまうかもしれないその日を、オレと玲奈は亨の体をいたわるようにさすりながら親として何もしてやることもできず、ただ待った。
亨の“死”を望んでいるわけではない。
ただ、何も食えず、何もその瞳に写すこともなく、何本もの管につながれて声にできない苦痛から解放してやりたい、それだけだった。
事故以来、オレは警視庁の刑事課に所属しながら企画のデスクワークだけをこなしていた。
あの忌まわしい事故から、4年が経とうとしている。
玲奈は1歳半の亨を連れ散歩中、居眠りの車に猛突進されての事故だった。
玲奈は大腿骨骨折の怪我。
亨は───事故当時意識レベル300、それから10ヶ月、小さな体に管をつけて何とか呼吸だけはしている日々。
「ねぇ、晃…」
「何だ?玲奈」
「あと3週間…」
「…うん」
「亨の2歳の誕生日が来ても目を覚ますことがなかったら…呼吸器を…」
「…そうだ、な…」
呼吸器をはずす。
つまりそれは亨の“死”を意味する。
誕生日が命日になってしまうかもしれないその日を、オレと玲奈は亨の体をいたわるようにさすりながら親として何もしてやることもできず、ただ待った。
亨の“死”を望んでいるわけではない。
ただ、何も食えず、何もその瞳に写すこともなく、何本もの管につながれて声にできない苦痛から解放してやりたい、それだけだった。
事故以来、オレは警視庁の刑事課に所属しながら企画のデスクワークだけをこなしていた。