初恋、嘘恋、片恋。
蓮の方に目をやると、蓮が誰かと電話していた。
あたしは、少しだけ蓮に近づいた。
少しだけ聞こえる蓮の声。
「…陸、てめぇ…騙したな?…新山なんてい…た…?ちょ、陸っ、話終わってねーって!」
電話をしながら、あたしを見つけ、携帯をしまった蓮はあたしを見て近づいてきた。
「ここまで来たんだし…行くぞ。」
意外な言葉にあたしは驚いた。
帰るぞ、とか、お前独りで行ってこいとか…そんな言葉がかけられると思ってた。
「…あ…でも…か、かんな…さんが…」
一緒に、遊園地だよ?デートみたいじゃん。
「…チッ…。(ボソ あいつ、ここまで来てるのかよ…」
蓮は変にキョロキョロと見回して、ある方向に目をやって、舌打ちした。