ニートな同居人
それから店員さんに教えて貰い、コンタクトレンズを目に入れてみたが簡単に入った
『―――ッ』
変わる視界、世界
メガネとゆう邪魔な障害物が消え、こんなに楽なのだと改めて思い知った
『もっと早くコンタクトデビューしとけば良かったです』
と本音を伝えると
「そしたら君は華やかな学生生活をおくっていたかもね」
とお世辞を言ってくれた
そのあと外に止まってる車に乗り込むと、半年分のコンタクトと同じ度数のメガネを差し出してきた
そのメガネは黒縁の落ち着いたフレームですごく可愛らしかった
財布を出して料金を払おうとしたものの、彼は1円も受け取ってくれなかった
その代り、私に"仕事"があるそうだ
「会社にはもう俺と出張って伝えてあるから」
と当たり前のように言われて、え?と聞き返すと
「出張って言っても深夜には帰ると思うよ。大丈夫だから」
その言葉と共に300ページ程のファイルを差し出した
「――これから行く取引先の情報」
『え?』
「俺1人でも大丈夫な仕事だけど、手伝ってもらおうと思って」
『――ッ』
太田さんは、優しい
胸の奥がきゅう、と締め付けられた気がした
これは―――何?