ニートな同居人
同居生活

ニートくん




『…どうぞ』



「お邪魔します」


嗚呼、何故こんな事になってるのだろう?






マンションの1階の7号室

そこが私の部屋




あの、大好きな小説が販売する日は月は不定期だけど必ず"17日"に販売する


だから1階の7号室に運命を感じて買ってしまったなんて、誰にも言えない秘密でもある




「ふーん、ここがこれから"俺の住む家"かあ」

なんて彼が軽く言うから、ハ!?と思わず大きな声を出してしまった





『え…と、今、なんて?』


冷静に考えろ私




きっと小説の読みたさとストレスで頭が疲れてるに違いない




「だあかあーらー!俺達さっき付き合ったじゃん。だから同じ部屋に住むのは当然でしょ?」




『…』


ん?


誰と誰が付き合って

誰と誰が同じ部屋に住もうとしているの?




理解できなくて頭をかしげると、ハァ、と彼はため息を吐いた




「名前は?」



『――、あ、と…楠彩(クスノキアヤ)です』


「…ふーん、アヤね」





コクリ、と頷くと


「彼氏いんの?」と問いかけてきて私が首を左右に振る前に




「――あ、だよね。いないよね」


と納得したように返事をしてきた




「――見たからして1人暮らしだし…男のかけらもない…うん、丁度いいね」



私の部屋を一回りして、納得したように頷いた





『…な、なにが丁度いいんですか?』



ん?と首を傾げて、ああ、伝えてなかったねと口角を斜めに釣り上げた



『――ッ』

その姿が色気があって、頬に熱を帯びた





そんな私の姿を見て、ニコッと白い歯を見せて口を開いた



「僕ニートなの

家において欲しいんだけど?」



――とても、上から目線で
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