お前が好き、大好き。






――――――



橋本大輝、今が人生で一番のピンチでチャンスかもしれません。




入学式から何日かたったある日。


何回目をこすっても、何回瞬きしても
どっからどう見てもあれは鈴花ちゃん。


夢!?って思ってほっぺをつねったら
痛くて痛くてたまんなかった。




ただいま登校中。


そしてポニーテールを揺らしながら
目の前を歩いてるのは
きっと、いや多分
鈴花ちゃん(に似た人かもしれない)。


でも鈴花ちゃん....だと思う。



それでさっきから自分との葛藤をしてます。

今を逃したらきっとこの先、話しかけることができないと思う。

でも人違いだったらどうしよう。

というか誰か分かられなかったらどうしよう。

さすがの俺も精神的絶大なショックをうける。


どうしよう。どうする俺。どうしよう。

とりあえずビームを送る。


こっち向けー気づけー向けー向けー。


あ!!!!!!!!!!!!!!
向いたどうしよう俺どうしたらいいの。



「橋本くん...だよね?
おはよう!」



やばいどうしよう。
名前覚えててくれた。おはようっていってくれた。俺まじでもう世界で一番幸せかも。

いや、一番は鈴花ちゃんの彼氏か。泣


とりあえず格好つけて

「あ、おはよう。
高山鈴花ちゃん?だよね?」



っていってみた。


で、言ってから
“何こいつ格好つけてんのきもい”
とかって思われてたらどうしようって
とても後悔した。



小走りでこっちに来る鈴花ちゃんが
もう可愛くて可愛くて
好きほんとに好きって
言いそうになった。



ごめんなさい鈴花ちゃんの彼氏さん。
これから学校つくまでの約10分間。
幸せわけさせてもらいます。

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