お前が好き、大好き。





鈴花の話をまとめると。



駿さんがサッカーの大会見に来て欲しいって言ってて、でも鈴花は部活があるから行けないって断ったらしい。


そこでまずプチ喧嘩。




駿さんは一年にして数少ないレギュラーに
なれたのは、
本気で鈴花に見に来て欲しかったからで、
この時期は大会とかはないって言ってたからなにがなんでも見に来てくれると思ってたらしい。



でも、鈴花だって
みんな頑張ってる中
自分だけ休むわけには行かない。




でも大会当日、鈴花の部活が
予想以上に早く終わって
大会に行ったらしい。



駿さんの試合も無事見れて、
お疲れ様を言いに行こうとした時。



たまたま駿さんが鈴花のことを見つけると
「なんできたの?」
って困り顔全開で言われたらしい。





まぁ実際わかる。




いきなり来る予定もなかった人が
しかも好きな人が来たら
テンション超上がっちゃう人と
駿さんみたいに素っ気なくしちゃう人に
分かれる。





中学校時代、バスケ部だった俺も
実は同じような経験がある。



元カノ、佐藤日和(さとう ひより)が
いきなり大会を見に来たのだ。



もう、あの時のテンションの上がりようは半端なかった。
体の調子もよくて、ドヤ顔でシュート決めまくったという
いいような悪いような思い出がある。



それで鈴花は怒って、
それに対しても駿さんが怒って。



今はお互い連絡をとってないらしい。





「あっちから連絡してくれないと
鈴花絶対連絡しないもん。」



「まぁ鈴花は実際悪くないわな。」


「でしょ。」



独占欲強い彼氏なんだなー、思いつつも
でもやっぱり羨ましい。




「でも鈴花は好きなんだろ?」



「....うん。」




こんな素直な彼女がいるんだから。





「とりあえず一週間くらい連絡待ってみれば

もしこなかったら、その時は一緒にどうするか考えよう。」




「大輝ありがとう大好き。」




ちょ、待てよ。
待て待て待て落ち着こう。

いま、大好きって言った?
鈴花俺に大好きって言った?


わかってる。友達としてってことくらい。


でも、でもやっぱりもう嬉しくて嬉しくてたまんない。



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