第六部隊の日常
そして10分もしない内に四人のエスケープ常習犯は帰ってきた。ついでに五十四代目執務室のドアが大破したが。
しかし、とシオンは思う。
何故、キャスパーは普段から目付きが超悪いのにさらに、ギラギラと凶悪な笑みを浮かべているのだろう。目から殺人光線でもだすつもりか。
何故、グリードは鼻血を出してにやけているのだろう。隊服が鼻血で真っ赤になっている。いつもより、気持ち悪い。こっちみて親指を立ててグッジョブと口パクするな。
何故、フォンは黒さ100%の笑顔で俺の両肩をガシッと掴んでいるのだろう。肩からミシミシと嫌な音がする。地味に痛い。
ジャンカスに至ってはフォンの足元で真っ青になって気絶している。
あれ?俺は何かしたんさ?いや何もしていない。
あのオカマが何か吹き込んだのだろうか……?
「おい、白髪女。俺を無断で盗撮して写真を売りさばくとはいい度胸だな」
「シオン、貴様ぁ…。よくぞ……」
「ねぇ、お前さ人生の終了式の準備は出来た?昨日やっと届いたネコ娘シリーズの、五時間も並んで漸く予約出来た三毛ちゃんメイド服しかも限定verを剣で真っ二つにしたってホントかなぁ?」
「……それ俺じゃないさ!!」
「ああ゙?テメエ以外に誰が居るんだ?」
そこで俺は、顔どころか周りの背景まで真っ青にして窓から脱出を試みようと、音を立てずに窓に近寄る真犯人を指差す。
「犯人は彼奴さ、ジャンカス!!」
フッ決まったさ。何か地味に達成感が。
「「天誅じゃああああ!!!」」
ライフルを持った般若をキャスパーとフォンの後ろに見た。二人は勇ましく殴りかかり、真犯人ジャンカスは逃げようとし、ストーカーと俺は傍観者に徹しようとし、またしても。
ドサーー。
俺たちは書類の山に飲み込まれたのだった。
end
「おい、テメェら隊長命令だ。この書類片付けるぞ」
「「「「…賛成」」」」
「ふふ。頑張りましょう」