優しさ、そして愛


その後もう一回大富豪をした





また私と斎が残ったけど
奏斗のおかげで斎に勝つことが出来た





「かなくんはどう接していいか
 分からないだけで、ほんとは
 すごく優しいんだよ」






馨がこっそりと教えてくれた






私にもちゃんと分かったよ
奏斗が優しいってこと
 




「杏ー!!」







もう一回大富豪しようとしてたら
勢いよくドアが開いた






それと同時に私を名前を呼びながら
抱きついてきたのはお兄ちゃん







ふわりと香る爽やかな
シトラスがお兄ちゃんらしい





「弁当上手かったよ

 玉子焼も唐揚げも

 
 また作ってくれるか?」





抱きしめたままに顔を埋め
甘えたように聞いてきた






「うん、お兄ちゃんが
 食べてくれるならいつでも作るよ」








「じゃあ俺たちもまた食べたいな」






振り向くと入り口には
蒼汰と輝





「上手かったぜ、ありがとな」






よかった、2人も食べてくれたんだ







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