母になる切っ掛けは借金
「俺は山中だ」
男も自己紹介してきた
「へー山中さんですか」
私がどうでも良さそうに呟くと山中さんは頭を小突いてきた
「暴力反対ですよ」
「ウルセェ」
山中さんはそう言いながらまた私の頭を小突く
叩かれるのは御免なので少し山中さんから離れる
ふと、昨日考えていたことを思い出した
『お花が似合う取り立て屋さん』
そしてさっき感じた太陽みたいな笑い顔
「ねぇ山中さん」
「どうした、親父に会うの怖くなったのか?」
ニヤニヤ
「イテテテテテッ嬢ちゃんいてぇよ」
無意識に耳朶を引っ張っていたようだ
「あ、すいません
ムカついたのでつい」