オフィスの危険はつきもの
ーー…あぁ、わたしなにしてんだろう。
フラフラと外出てきてしまった私は、
風当たりがいい裏庭へ足を運んだ。
風が靡く音が
すこし髪を揺らしたその時。
「うわあああああああん、」
建物から喚き声が響く。
「…………うっ」
甲高い喚き声を聞いて私もすこし拳を握りしめ、嗚咽を抑えるように涙をこらえる。
(お母さん、お父さんーー
私を産んで、ーーーー今は幸せですか?)
だけど少しすると甲高い鳴き声が
建物から聞こえなくなり今度は火が燃える焦げる匂いが鼻につーんと伝わった。
その匂いに私もふと自然に泣き止む。
そして空を見上げると、真っ青な空に場違いという黒雲がもくもくと流れ出していた。
煙を熱い涙こみあげるその目で、
じっと見つめる。
(お母さん、お父さんーーー)
ーーーー私……
「生まれ変わって見せるね。」
今ひとりぼっちだったこと。
自分が変わりたいからこそ、強い決心をしたあたしは…何もしらずに……