首筋の月
「…ああ、すみません。
名前を名乗っていませんでしたね。
私は棗(ナツメ)
君のお父さんの、知り合いです。」
「あたしの、父さんの…?
父さんのこと、何か知ってるの?!
だったら教えて!
居場所は?
元気?
なぜ捨てたの?
どうしてわたしは生きてるの?
なぜ産まれてきたの?」
棗「少し落ち着いてください。
君のお父さんは、死にました。」
「…………え?」
ちょっと、待ってよ。
あたしは、いつかどこかで会えるって信じてたのに…
死んだ?
そんなの、絶対会えないじゃない…!