首筋の月

そんな言い方、しなくてもいいのに。
トゲしかないな。

「えーっと…?
イメージ、イメージ…」

霞「調度俺怪我してるから実験してみる?」

じ、実験って…

尚人「指先から傷口をふさぐイメージだ。
ファスナーをしめる感じ…か?」

疑問系…!

「わ…わわー…」

霞君は、肩から血を流していた。
そんなんでよくペラペラと喋れたもんだわ…。

傷は見た感じ3㎝ほどの細長い切り傷のようだ。

「ファスナーを、しめるかんじ…」

あたしはイメージしやすいように目を閉じて、指先でゆっくりと傷をなぞった。

霞「すごい、痛みがなくなった…」

尚人「一発で成功とはスゴいもんだな。」

荒夜「傷も消えている。
これなら使えるな。」

霞「それだけじゃない、疲労まで消えてるんだ。」

荒夜「なるほど…

どうやら予想以上に使えるらしい。」

「あ、あのー…」

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